葛飾区の相続無料相談、役所手続き一覧有り、路線価サンプル有り
「相続が発生したとき、最初に誰に相談すればよいの?」
「相続の手続きをするのは、どこに行けばよいの?」
税理士をしていると大変よくお受けする質問です。
大切なご親族を亡くしたあと、やっとお葬式が終わったと思ったら、故人のご遺産の整理を始めないといけません。
「故人のご遺産の整理」とは、どのような手続きを言うのでしょうか?
人が亡くなるとその人の財産は、相続人間の共有状態になります。
(民法898条)
相続人が1人の場合や遺言書があれば比較的スムーズですが、遺言書がない場合は、ご遺産の分け方を相続人間で協議する必要があります。
その遺産分割協を経て、取得した相続人が預貯金を解約し、不動産については相続登記をするというのが一般的な流れです。
そして、相続税の申告期限は、相続開始の日の翌日から10か月以内です。
このような相続の専門家でも難しい手続きを相続人の皆さまがすべて自分でやるのは本当に大変です。
「必要書類はどこで準備する?」
「故人とは別生活で、どのような遺産があるかわからない」
「遺産の分け方で、相続人同士がもめてしまった」
「戸籍が1通足りません」
「海外に住んでいる相続人がいる」
「土地が多く、現金が少ないので相続税が払えない」
「銀行の手続きをしていたら、借金も発見された」
などなど、相続手続きの途中でイレギュラーな事は多々あります。
そこで、今回のコラムは、葛飾区で相続が発生した場合のお手続きや必要書類の収集方法、トラブルが起きた場合の対処方法などをご案内したいと思います。
*故人の住所地が葛飾区の場合を前提にしています。
1.葛飾区の方へ。相続無料相談受付中!最初に相談するのは、税理士、司法書士、弁護士?
相続が発生したら、今後の流れについて、まずは専門家の無料相談をおすすめします。
相続税申告書の提出の必要性の有無は、自分で判断するのは難しいですし、遺言書についても見当たらないと思っても公証役場に電子保管されている場合があります。
相続の専門家といえば、税理士、司法書士、弁護士になります。
この3士業のうち、誰に最初に相談すれば良いのでしょうか?
まずは、相続手続きや相続税申告について、税理士、司法書士のいずれかに相談するのが一般的かと思います。
反対に弁護士は、揉め事や特殊事情がない限り登場することは少ないです。
ただし、明らかに相続税が発生するような場合や納税額が多額になる場合には、最初に税理士にご相談するのがおすすめです。
財産の分け方が決定してしまうと、それを取得した相続人の相続税額も決定してしまいます。
「小規模宅地等の特例」の適用の有無もありますので、相続税が多額になりそうなときは最初に税理士の相談するのが良いと思います。
次の表は、税理士・司法書士・弁護士の主な業務内容になります。
税理士・司法書士・弁護士の業務内容
業務の内容 | 専門家 |
---|---|
戸籍の収集 | 税理士、司法書士、弁護士 |
相続税申告書の作成 | 税理士 |
不動産の名義変更 | 司法書士 |
預貯金の解約 | 司法書士、弁護士 | 相続放棄 | 司法書士、弁護士 |
遺産分割の調整 | 弁護士 |
裁判・調停(もめてしまったとき) | 弁護士 |
*これらの業務を、相続人本人でやるか、上記の専門家に依頼するかになります。
最初に取り掛かる業務は、「相続人の確定」です。
被相続人の出生からの戸籍を集めて、相続人を確定させる作業から始まります。
初回面談の際に、今後の流れについて税理士または司法書士と連携し、情報を共有しながら、徐々に進めるのが一般的です。
2.必要な役所手続き一覧
葛飾区で相続が発生した場合に、必要な役所一覧をご案内します。
役所 | 所在地 | 代表電話番号 |
---|---|---|
葛飾区役所 | 葛飾区立石5-13-1 | 03-3695-1111 |
葛飾都税事務所 | 葛飾区立石5-13-1 | 03-3697-7511 |
葛飾年金事務所 | 葛飾区立石3-7-3 | 03-3695-2181 |
葛飾公証役場 | 葛飾区青戸6-1-1-2階 | 03-6662-9631 |
葛飾税務署 | 葛飾区立石8-31-6 | 03-3691-0941 |
城北出張所(法務局) | 葛飾区小菅4-20-24 | 03-3603-4305 |
葛飾区役所
相続のお手続きの最初は、「相続人の確定」から始めます。
「故人の出生からの戸籍」を収集して、相続人を確定させます。
故人の戸籍が葛飾区にある場合は、葛飾区役所にて、除籍謄本、改製原戸籍を取得します。
出生から必要なので、葛飾区の「前の市区町村」がどこかについても、窓口で確認することが出来ます。
また、「相続人の皆様」についても、ご自身の戸籍謄本、住民票、印鑑証明書が各種手続きで必要になりますので、3通程度を取得していると便利です。
葛飾区役所の本庁舎に行かなくても、金町、高砂、新小岩、新小岩北、堀切、水元、亀有、柴又、南綾瀬、四ツ木の各区民事務所やサービスコーナーでも同じ手続きが可能です。
配偶者や子供などの相続人が行く場合は、運転免許証等の身分証明書が必要です。
取得した戸籍謄本と住民票は、銀行解約や不動産の相続登記などで使用しますが、これらについては、有効期限はありません。
ただし、預貯金の払い戻しや株式の名義変更、死亡保険金の受取りの際に必要となる相続人の印鑑証明書については、取得後3か月~6か月以内のものを要求される場合が多いです。
葛飾都税事務所
不動産の相続登記には、「固定資産評価証明書」が必要です。
故人が葛飾区内に不動産を所有していた場合には、葛飾都税事務所にて取得します。
また、故人が葛飾区内に他の不動産も所有(私道など)しているかなどは、「名寄帳」取得することによって確認できます。
*固定資産税が非課税の私道などは、毎年送られてくる「固定資産税の課税明細書」には記載されていない場合があるので「名寄帳」を取得して確認しましょう。
また、複数人で共有保有している「持ち分私道」の場合は、名寄帳を取得してもわからない場合があるので、個別の調査する必要があります。
ご所有の土地の脇に私道のようなものがあれば、故人の持ち分はないか、登記簿謄本を取得して確認しましょう。
「固定資産評価証明書」、「名寄帳」を配偶者や子供などの相続人が取得する場合は、故人の除籍謄本が必要です。
戸籍が別の子供などが取得する場合は、その子供の戸籍も必要になります。
(その故人と相続人の繋がりがわかるように戸籍を用意します。)
固定資産評価証明書 | 名寄帳 |
葛飾年金事務所
年金を受給している人が亡くなった場合には、社会保険事務所又は市町村へ「年金受給者死亡届」を提出します。
故人に支払われる予定だった年金がある場合には、遺族がその分の年金を受け取ることが出来ますので、「未支給年金請求書」にて同時に手続きをしましょう。
また、厚生年金の被保険者又は受給者が亡くなった場合には、その遺族は遺族厚生年金を受けることができます。
遺族が年金を受けるためには、「年金請求書(国民年金・厚生年金保険遺族給付)」によって手続きを受けますが、手続き先が、故人が最後に加入していたのが、厚生年金か、国民年金かによって異なるので注意が必要です。
年金受給者死亡届 | 未支給年金請求書 | 年金請求書 |
葛飾公証役場
公証役場で「公正証書遺言」を作成した人は、その際にその遺言書の謄本(コピー)を2通程度受取ります。
その「謄本」には公証人の印が押されていますので、それがあれば相続手続きにそのまま利用することができます。
ただし、その謄本を紛失してしまった場合やそもそも故人が公正証書遺言を作成しているか不明な場合は、公証役場にて確認できます。
現在、公正証書遺言は電子でも保管されていますので、葛飾公証役場でなく、他の公証役場で作成していたとしても、その確認をすることができます。
葛飾税務署
相続税の申告が必要な場合は、相続の日から10か月以内に税務署に相続税申告書を提出します。
相続税の納税地は、故人の住所地になるので故人の住所が葛飾区であった場合は、葛飾税務署が管轄になります。
(準確定申告が必要な場合も相続開始の日から4か月以内に手続きをします。)
また、故人が生前に「相続時精算課税制度」を利用した贈与を行っている場合や「借地権者の地位に変更がない旨の申出書」を提出している場合などは、今回の相続税申告書に影響を及ぼすことがあります。
ただ、このような書類は時間の経過とともに紛失してしまう事も多いです。
その他、過去の税務手続きで、書類の控えが手元にない場合は、税務署の「申告書等閲覧サービス」を利用すると便利です。
税理士が納税者の代理で閲覧することも可能です。
城北出張所(法務局)
城北出張所では、不動産の相続登記を行います。
基本的な必要書類は、故人の出生からの戸籍と相続人の戸籍、住民票、印鑑証明書、固定資産税の評価証明書、遺産分割協議書又は遺言書などですが、不動産の相続登記を自分でやるのは、けっこう大変です。
手間やトラブルのリスクなどを考えて司法書士に依頼すると良いと思います。
また、故人の本籍地や住所地などが葛飾区にある場合は、相続手続きをするのに便利な「法定相続情報」を取得することが出来ます。
「法定相続情報」については、当事務所の相続Q&Aのこちらをご参照ください。
3.葛飾区の路線価の調べ方、参考路線価
「我が家は相続税申告が必要なの?」
「不動産の評価額はどのように計算する?」などの質問も多くお受けします。
相続税の申告が必要か否かは、故人の「財産」から「債務」を差引き、その金額が基礎控除(3,000万円+600万円×相続人の数)を超える場合に必要になります。
このとき、預貯金、株式などの金額はわかりやすいけど、不動産の相続税評価額がわからない人は多いと思います。
家屋については、「固定資産税の納税通知書」に記載されている「評価額」を基礎に計算します。
築年数が経過している家屋は、「評価額」自体も低いので、高く評価されることはありません。
土地について市街地の場合は、路線価により相続税評価額を計算します。
市街化調整区域の場合は、「倍率方式」と呼ばれる別の評価方法がありますが、葛飾区内はすべて市街地ですので、葛飾区にある土地はすべて「路線価方式」にて相続税評価額を計算します。
路線価とは、国税庁が発表している1m2あたりの土地の評価額です。
(路線価は、その土地が接している道路に付され、公道などのきれいな道は高くなり、細い道や路地裏は低くなる傾向にあります。)
葛飾区に限らず全国の路線価が、国税庁のホームページで確認することが出来ます。
http://www.rosenka.nta.go.jp/
葛飾区内で一番路線価が高い場所はどこだと思いますか?
答えは、新小岩駅南口のルミエール商店街の入り口付近で、令和5年現在1m2あたり、160万円です。
ただし、これはこの駅前の商業地域限定の単価で、新小岩2丁目の住宅地に行けば35万円まで低くなります。
ちなみに日本で一番地価が高いのは、銀座三越の交差点付近で1m2あたり4,272万円ですが、こちらも新富町の住宅があるエリアまでいくと100万円程度となります。
ニュースで取り上げられるような商業地だと局地的に高くなり、住宅地になると平準化されていきます。
次の表は、葛飾区の主な「住宅地」の路線価です。(令和5年現在)
葛飾区の路線価のサンプル
丁目 | 場所 | 路線価(円) |
---|---|---|
青戸4丁目 | 青戸平和公園近隣の住宅地 | 290,000 |
奥戸4丁目 | サニーボウル近隣の住宅地 | 240,000 |
金町4丁目 | 末広小学校近隣の住宅地 | 260,000 |
亀有3丁目 | アリオ亀有近隣の住宅地 | 270,000 |
小菅2丁目 | 川の手通り沿い | 330,000 |
柴又7丁目 | 柴又街道沿い | 300,000 |
立石1丁目 | 奥戸街道沿い | 430,000 |
細田4丁目 | 細田公園近隣の住宅地 | 260,000 |
東水元4丁目 | 水元公園近隣の住宅地 | 160,000 |
四つ木2丁目 | イトーヨーカドー近隣の住宅地 | 235,000 |
相続税にかかわらず土地の価格は、その接している道路に大きく影響されます。
土地が高くなる地域とはどのような場所をいうのでしょうか?
簡単いうと「人が集まる場所」です。
この理屈が路線価にも反映されていて、誰もが知っているような道路沿いは高くなり、人気のない道路になるにつれて低くなる傾向にあります。
葛飾区奥戸2丁目の路線価の一部
葛飾区奥戸2丁目の路線価の一部です、奥戸街道沿いは265Dと記載されています。
路線価は千円単位で記載されているので、1m2あたり265,000円です。
(Dの文字は借地権の割合を示す記号で、Dは借地権割合60%です。)
仮に100m2の土地を所有しているとすると約2,650万円の相続税評価額となります。
実際にわたし達が相続税申告を作成する場合は、その土地のマイナス要因(間口が狭い、形が悪い)などを考慮してなるべく減額できるように評価しますが、基本は、路線価×面積(m2)で計算します。
4.家・土地の相続が絡む場合の注意点、相談は不動産のプロへ
相続の一連のお手続きの中で、一番のトラブルは、遺産分割でもめてしまうことです。
遺産分割でもめてしまうと、遺産を分けられないだけでなく、相続税申告において、税金の優遇がある「小規模宅地等の特例」や「配偶者の税額軽減」の適用が出来ません。
(これらの特例は、遺産を取得する相続人が確定しないと適用できません。)
*いったん、「未分割」の状態で、多めの相続税を支払い、一定の届出書や手続きを経て、遺産分割が確定した後で、納めた相続税を還付(税額を返してもらう)してもらうという面倒な流れになります。
中でも土地や建物の不動産がからむ場合は、次のようなことでトラブルになってしまうことも少なくありません。
- 不動産の価値について、相続人間で意見が異なる。
- 複数の不動産があり、相続人間で均等に分けることができない。
- 借地権なので、誰も相続したがらない。
- 不動産を売却して現金化したい人と保有したい人で意見が対立する。
- 相続税の納税資金のため、どの不動産を売却して良いかわからない。
これらのトラブルについて、遺言書があるならば、それにより相続する人が決定していますので、スムーズに運ぶことが多いです。
反対に、遺言書がなければ相続人間で遺産分割協議をすることになるので、路線価などを参考に不動産の価値や将来の収支などを検討して、相続人間で調和を図るしかありません。
不動産の価値は、その相続人の価値観や経済的な状況に応じて異なることが多く、意見が割れるのは当然とも言えます。
必要に応じて専門家の助言を得ながら、もめないように進めることが大切です。
5.まとめ
これまで、葛飾区で相続が発生した場合を前提にご案内しましたが、いかがでしょうか。
葛飾区内の役所については、葛飾区役所の周辺に集まっていますので、出来るだけまとめて手続きすると便利です。
必要書類については、事前にお電話で確認してから訪問しましょう。
相続の手続きや相続税申告は、予期せぬトラブルや落とし穴がたくさんあります。
- 相続人に海外在住の人や認知症の配偶者がいる。
- 相続人間の仲が悪く、口を聞ける状態ではない。
- 手書きの遺言書が出てきたけど、日付がない。
- 名義預金や名義株がある。
- 相続税の申告期限までに納税資金を準備できない。
これらのハードルをクリアして、円満に遺産を分割して、相続税申告をするのは時間的にも精神的にも本当にたいへんです。
相続が発生した後は、自分で出来る手続きと、専門家に依頼しないと出来ない手続きがあります。
特に相続税申告においては、その後の税務調査も想定して、無駄な税金を払うことがないように慎重に専門家を選ぶ必要があります。
わたし達の事務所も、相続税申告はもちろん、その他の手続きも各種専門家と連携してワンストップで行うことが出来ます。
初回の無料相談もおこなっていますので、ぜひご活用ください。
監修者
税理士法人根本税理士事務所根本 淳一(ねもと じゅんいち)
下町エリア独特の細かい土地の評価を得意とする一方、遺産規模10億円をこえる大型案件も実績あり。
不動産オーナー様からの相談実績は年間100件以上。
不動産の売却に係る特例の申告はすべて経験。