相続財産の確定、相続放棄する場合
ここでは相続財産の確定について、ご案内したいと思います。
相続財産の確定
相続人が確定したら、次に被相続人(お亡くなりの方)がどのような財産を所有していたか、
把握する必要があります。
この時、遺言書がある場合や被相続人が生前に「財産の一覧表」などを作っていた場合は、比較的に分かりやすいですが、突然にお亡くなりの場合や別居していた親が亡くなった場合は、財産の把握が難しい場合があります。
どのように相続財産を把握すれば良いのでしょうか?
不動産
不動産については、「固定資産税の課税明細書」から把握することができます。
「固定資産税の課税明細書」は、毎年6月くらいに市区町村より送られてきます。
また、固定資産税が課税されない「私道」などを持っていた場合は、課税明細書に記載されていませんので、注意が必要です。
別途「名寄帳」を都税事務所(地方の場合は市町村)より、取り寄せた方がよろしいかと思います。
預貯金
預貯金については、通帳や郵便物などから、どの銀行に口座を持っていたか地道に探すしかございません。
またお近くの可能性がある銀行に問合せるのも1つだと思います。
有価証券
株式などの有価証券については、証券会社からの取引明細や預かり資産の通知書などで把握することができます。
また配当金などがある場合は、預貯金の通帳に入金履歴がありますので、そちらでも把握できるかと思います。
被相続人の確定申告書から
被相続人が毎年確定申告をしていた場合には、その申告書には、賃貸不動産の情報や加入していた生命保険の情報が記載されています。
生命保険
生命保険については、非常に把握しづらい財産になります。
「保険証券」や「通帳の支払い」などから把握する必要があります。
特に「被保険者」が被相続人「以外」の人となっている場合は、まだ保険事故が発生していません(相続税では、「生命保険契約に関する権利」と言います。)ので、忘れやすいものとなります。
相続の放棄
財産の把握の話ばかり書きましたが、「相続財産」よりもあきらかに「債務」のが多い場合は、
「相続放棄」をした方が良い場合があります。
この場合は、「相続の開始があったことを知った日から3カ月以内」に家庭裁判所へ申述する必要があります。
「相続放棄」は、3カ月という早い段階で手続きをしないといけませんので、注意が必要です。
もし忘れた場合は、「単純承認(財産・債務すべて相続する)」したとみなされます。
また、プラス財産の範囲でマイナス財産を受け継ぐという「限定承認」という方法もございます。
こちらの期限も3カ月になりますので、早めに専門家に相談をした方がよろしいかと思います。