相続人の確定
ここでは「相続人の確定」について、ご案内したいと思います。
相続が発生したら、まず行わなければならないのは、「相続人の確定」と「相続財産の把握」です。
誰が相続人になるかは、すでにご家族の間で分かっているとは思いますが、預貯金の解約や不動産の名義変更の際には、銀行や法務局にわかるように書類を集める必要があります。
具体気には、被相続人(お亡くなりの方)の「戸籍謄本」をその人が出生した時から現在までをさかのぼって集めます。
これにより、他に相続人がいないかを把握することができます。
出生からの「戸籍謄本」の集め方
被相続人の本籍があるところの「市区町村の役所」で取得します。
役所に行く人が被相続人と同じ戸籍にある場合(夫が亡くなり、妻が行く場合など)や直系の親族(親や子)が行く場合は、行く人の身分証明書があれば大丈夫です。
それ以外の人が行く場合は、行く人への「委任状」が必要になります。
現在の戸籍はコンピュータ化されています。お亡くなりになった事が記載されている「除籍謄本」とコンピュータ化される前の「改製原戸籍(かいせいげんこせき)」を取得します。
ここから更に戸籍を遡るのですが、コンピュータ化される前の戸籍は手書きですので、非常に読みにくいものです。その市区町村の「前」の所の戸籍を取得するのは、その市区町村の窓口の人に
「この前はどこの市区町村で取れますか?」と確認をすると良いかと思います。
誰が相続人となるのか?
配偶者(夫又は妻)は、必ず相続人になります。
配偶者以外の親族については、相続人としての「順位」があり、先の順位の親族がいるときは、後の順位の親族は、相続人とはなりません。
例えば、父が亡くなり奥さんと子供がいるときは、奥さんと子供が相続人となり、第2順位の祖父(亡くなった人の父)は相続人とはなりません。
原則として、第1順位は子供、第2順位は親、第3順位は兄弟姉妹になります。
相続人と相続の順位
相続順位 | 相続人となる人 | |
---|---|---|
第1順位 | 子・その代襲相続人(孫・ひ孫など) | 配偶者は常に相続人 |
第2順位 | 直系尊属(亡くなった人の親など) | |
第3順位 | 兄弟姉妹・その代襲相続人(甥・姪など) |
※代襲相続人とは、相続人となるはずだった子が被相続人(亡くなった人)よりも先に死亡した場合には、その子に代わって、その人の子(孫)が相続人となります。
※代襲相続は子が死亡している場合だけでなく、兄弟姉妹(第3順位の相続人)が死亡している場合にも行われますが、この場合は兄弟姉妹の子(被相続人からみた場合は甥や姪)までに限られます。(甥や姪が死亡している場合には、その子供は代襲相続人とはなりません。)
民法で定められている相続分は、以下の表の通りになります。
法定相続人と法定相続分
相続順位 | 法定相続人 | 法定相続分 | |
---|---|---|---|
第1順位 | 配偶者と子供 | 配偶者 1/2 | 子 1/2 |
第2順位 | 配偶者と直系尊属 | 配偶者 2/3 | 直系尊属 1/3 |
第3順位 | 配偶者と兄弟姉妹 | 配偶者 3/4 | 兄弟姉妹 1/4 |
※「法定相続人」とは、相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人をいいます。